◆「テレビの見過ぎで老ける」は、本当だった
2024年6月、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の研究チームが、ある注目の研究結果を発表しました。
医学誌『JAMA Network Open』に掲載されたこの調査では、約45,000人の50歳以上の女性を対象に、
なんと20年間にわたる健康状態と生活習慣の関係が追跡されました。
この研究が注目を浴びた理由――
それは、「テレビを見る時間」と「健康的な老化」の間に、はっきりとした関係が見つかったからです。
◆座る時間が増えるほど、“元気に歳をとれる”確率が下がる
調査によれば、次のような結果が出ています。
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1日あたりテレビを見る時間が2時間増えるごとに、健康的な老化を達成できる確率が12%低下
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一方で、家事や仕事など軽い活動(LPA)を2時間増やすと、健康的に老化できる確率が6%アップ
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さらに、テレビを見る時間の1時間を「軽い活動」や「中〜高強度の運動」に置き換えると、
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家庭内の軽い活動に置き換え:+8%
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仕事などの軽い活動に置き換え:+10%
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中〜強度の運動に置き換え:+28%
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これは驚きですね。
つまり、「動く時間」がほんの少し増えるだけで、老化をゆるやかにできる可能性が高まるということです。
◆“健康的な老化”って、どんな状態?
この研究で使われた「健康的な老化(healthy aging)」とは、以下の条件をすべて満たしていることを意味します。
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慢性的な病気にかかっていない(心臓病・糖尿病・がんなど)
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記憶力や思考力に問題がない
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身体機能(日常動作)が維持されている
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うつや不安などメンタルヘルスに大きな問題がない
調査に参加した45,176人のうち、この条件をクリアしていたのは、たった**8.6%(3,873人)**でした。
つまり、「70歳を過ぎても元気でいられること」は、当たり前ではなく、日々の積み重ねの結果なのです。
◆なぜテレビが悪いの? “動かない”ことの隠れたリスク
この研究には参加していないものの、心臓病予防の専門医である**Andrew Freeman氏(米ナショナル・ジューイッシュ・ヘルス所属)**も、
「テレビを見ることには複数の落とし穴がある」と指摘します。
「テレビを見る=体を動かさない、だけではないんです。
その間に、ジャンクフードを食べたり、会話のチャンスを逃したり、
夜更かしして睡眠の質が下がったり…悪い習慣が連鎖しやすいんです」
つまり、座りっぱなしには体だけでなく、心や生活習慣にも影響を与える要素が多く含まれているのです。
◆まずは1時間に1回、「ちょっと動く」ことから始めよう
とはいえ、「ずっと立ってるなんて無理!」という方も多いと思います。
安心してください。大事なのは、“こまめにちょっと動く”ことなんです。
すぐにできる具体的なアイデアをご紹介します。
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テレビを見るときはCMごとに立ってストレッチ
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デスクワークの合間に1分だけ背伸び&肩回し
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電話を取るときは立ち上がって歩く
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歯磨き中にかかとの上げ下げ運動
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駅やバス停では座らず、足踏みや重心移動を意識
これだけで、全身の血流や神経のめぐりがぐっと良くなります。
◆おわりに──10年後の自分が“ありがとう”と言ってくれる習慣を
「ちょっと面倒だな」「今だけは休ませて…」
そう思う日もあると思います。
でも、“今ここで立ち上がること”が、未来の自分の元気に直結しているとしたら――?
私たちの体は、「動くこと」で本来のバランスを保っています。
整体のケアに加えて、日常でも小さな“動き”を意識することで、
70代、80代になっても自分の足で元気に歩ける未来がぐっと近づきます。
ぜひ今日から、「座りっぱなしに気づいたら、立ってみる」を始めてみてくださいね。
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<参考文献>
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研究名:Sedentary Behavior, Light-Intensity Physical Activity, and Healthy Aging Among Women
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著者:Shi H, Wang M, et al.
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機関:ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院
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調査人数・期間:45,176人/1992年〜20年間
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掲載誌:JAMA Network Open
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公開日:2024年6月11日
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URL:https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2819227